銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第8章 ブラックトリガー争奪戦
【三輪くん。作戦終了よ。太刀川くんと風間さんがベイルアウトしたわ。奈良坂と章平くんもすでにベイルアウトしてるわよ。】
「三輪。すまない。」
「三輪先輩。すみません。九十九先輩を足止めできませんでした。」
「くっ。」
「うわぁ。負けたかぁ。つーか、迅さんと海影6対2で勝ったの?太刀川さんたち相手に!?ブラックトリガー半端ねぇな。」
ははっ!と笑いどこか嬉しそうにする出水を横目に嵐山隊は和やかな雰囲気でお互いに労いの言葉をかける。
「木虎、賢よくやった。充と綾辻もよくやってくれた。」
「作戦失敗かぁ。5位のチームに一杯食わされたのは腹立つなー。」
「うちの隊はテレビや広報の仕事をこなして上での5位なんです。普通の5位と一緒にしないでもらえます?そういう相手を甘く見るところ海影先輩に直してもらったらどうですか?」
「相変わらずクソ生意気だな。木虎」
木虎と出水がバチバチに睨みあっているのをよそに三輪は怒りと憎しみをふくんだ目で嵐山達を睨み付けた。
「嵐山さん。ネイバーを庇ったことをいずれ後悔するときが来るぞ。アンタたちはわかってないんだ。家族や友人を殺された人間でなければ、ネイバーの本当の危険さは理解できない!ネイバーを甘く見ている迅と海影は必ず痛い目を見る!そしてその時はもう手遅れだ!」
三輪の抗議に嵐山の笑顔が消える。
「甘く見ているってことはないだろう。迅だって母親をネイバーに殺されているぞ。5年前には師匠の最上さんも亡くなってる。」
嵐山から告げられた真実に三輪は驚いたように目を見開いた。
「海影だってそうだ。父親を殺されているし、迅と同じく5年前には─────
「5年前?」
出水がピクリと反応し、嵐山の言葉に耳を貸したその時だった。