銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第8章 ブラックトリガー争奪戦
「え.....?」
菊地原の首が勢いよく飛び、隣にいた歌川は目をはっていた。
【戦闘体活動限界ベイルアウト】
ばんっ!!
バキバキと菊地原の体はひび割れていき、本部に向かって流星のごとく飛んでいく。
「出たな。風刃。」
「仕方ない。プランBだ。」
『赤月起動!』
迅に続いて海影は赤月を展開させた。
赤月は赤く光ると、そのブレードから分裂を始め、合計で10本の刃が海影の周りを風を切る音と共に飛んでいた。
「海影。 」
『わかってる。スナイパーを片付けてくる。』
海影はすぐさま風間たちにも目もくれず走り出す。
そして奈良坂が居る場所にいくとギロリ...海影が奈良坂を睨んだ。
その目はまるで獲物を追い詰めたハイエナのような目をしている。
「くっ...!サイドエフェクトで読まれてたのかっ!」
【奈良坂先輩!逃げてください!!】
────バンっ!!
古寺がすぐさま奈良坂と距離を積めた海影に発砲するが、弾は赤月のブレードの1つがそれを防ぐ。
「くっ。厄介だな。」
『あは!ごめんね。奈良坂くん。うちの後輩のためだから!』
海影は笑みを浮かべているが冷たい声音でそう言うと、足に力を入れ、奈良坂と一気に距離を詰めた。
「(早っ!)」
『バイバイ〜』
そして海影の持つ月夜に照らされ赤く光る赤月に切り裂かれたのだった。
【戦闘体活動限界ベイルアウト】
菊地原に続き奈良坂がベイルアウトしてしまったのだ。
それを見ていた出水たちは「また誰か飛んだぞ」と呑気な声をあげていた。
「申し訳ないが、太刀川さんたちにはきっちり負けて帰ってもらう。」
すっかり笑顔の消えた迅は、その場にいる三人を睨む。
「歌川。ステルス戦闘の準備をしろ。」
「え、スナイパー組との連携が取りづらくなりますが?」
「九十九がいる以上スナイパーはやられる。いいから急げ!」
歌川が戦闘の準備を使用とした瞬間
迅は風刃を振り上げる。
ヒュンッ!風が切れるような音がして、風刃のブレードが歌川を切り裂いた。
「ステルスon」
「カメレオンか。」
どうやら傷は浅かったらしく、歌川と風間は闇に溶け込んでしまう。