銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第8章 ブラックトリガー争奪戦
─────ガキンッ!
歌川と菊地原が一斉に海影に切りかかる。
だか、海影はその攻撃を受け止めると即座に赤月で切りつけ、迅と共に後ろに下がた。
「どんどん下がりますねブラックトリガーのくせに」
「包囲されないためには当然の行為だろう。突出するなよ。浮いた駒は喰われるぞ。」
「でもどうします?このままじゃ、警戒区域の外まで行くんじゃ...」
切られた肩を押さた菊地原と歌川は風間を見て指示を扇ぐ。
「いや。それはないな。迅と海影は市民を危険に晒さない。」
「へへ。」
『...ふあぁ~』
太刀川が迅達を見ると、迅はにたぁと何か企んでいる笑みを浮かべ、海影は眠たそうにあくびをしていた。
「しかし、確かに消極的過ぎるな。何を企んでいる?」
そこからはまた戦闘がさいかいする。
迅を逃げないように攻め続ける太刀川と風間
そして、海影をスナイパー組に近づけさせないようにする歌川と菊地原
1対2の状態なのに海影も迅も全然優勢は揺らぐことはない。
「どうした?迅、海影。どうして風刃と赤月を使わない。何を企んでいる?」
太刀川はすました顔をして笑う迅と海影を見て問いかける。
「ずいぶん大人しいな。迅。昔の方がプレッシャーがあった。海影だってそうだ。出水が言うには眠いんだろ?この時間は。」
『あはっ!よく知ってますね。』
出水から海影の特徴である。
眠くなるといつもと雰囲気がうって変わり、好戦的になることを聞き出していたのか、太刀川は二人の企みを探るように問いかける。
「太刀川さんも風間さんも何を手こずってるんだ?この人達は最初からまともに戦う気なんてないんですよ。この人達は単なる時間稼ぎ、きっと今ごろ玉狛の連中がブラックトリガーを逃がしてるんだ。」
「いや、それはないな。迅たちは守りに徹しながらこちらのトリオンを確実に削っている。」
菊地原の抗議の声を否定する風間
だか、考えるように目線を下げ確信をつくように風間は迅たちを見据える。
「こいつらの狙いは────」