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銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】

第8章 ブラックトリガー争奪戦


「あ、そう言えば海影。薬飲んできたか?」

迅は足を止めず移動しながら、思い出したように海影に問いかけた。
薬とは勿論サイドエフェクトの薬のことだろう。
薬と症状の事は旧ボーダーメンバーと限られた人しか知らない。
毎回海影はここぞとばかりに薬の存在を忘れるので、戦闘の際は迅が薬の確認することが決まっているのだ。
 
『大丈夫、ちゃんと飲んできた。飲むところちゃんとレイジさんに確認してもらってるし、予備で注射も持ってきてる。今日はいつも以上に使うから備えは万全....』

そう言うと、屋根の上で止まった迅の隣で足を止め、目下の人影に視線を向けた。
視線の先には案の定迅と海影を追いかけてきた太刀川と風間がたっている。
 
「やっぱり俺たちを追ってくるのは」

『太刀川さんたちか。』
 
「やっぱり?サイドエフェクトで見えてたんだろ?」
 
「『まあね~』」
 
そう言って屋根に乗っていた二人は地面に降り来る。
 
「さてと、やろうか?太刀川さん。」
 
『今回は手加減しませんよ。風間さん。』

「"風間さん"?前から思っていたが随分とよそよそしくなったな。」

『なんのことですか?』
 
海影の手から風刃と形のよく似た赤い刀が出てくる。
数秒間四人は睨み合うと先に動き出したのは太刀川だった。
まず最初に迅に一太刀浴びせる。
当然これは防ぐが、体制を崩した迅に風間が追い討ちをかける。
だが、それは海影がカバーに入り阻止される。
そしてスナイパー組が引き金を引き迅を射殺そうとするが、それも予知しており、避けてしまった。
 
『そこか。』
 
スナイパーを狙っていた海影は弾が打たれた方向、一番身近だった古寺の方へと走り出す。
それを阻むように奈良坂が援護射撃するも、奈良坂の思考を読んでいたらしく意図も簡単に避けてしまう。
 
『(奈良坂くんがジャマだな。当馬さんは嵐山さんのところに向かってる...早めに片付けるか。)』
 
【章平。九十九がそっちに行くぞ】
  
奈良坂の通信に古寺はすぐさま身を隠す。
進行を阻まれた海影がチラリと奈良坂の居る方向を見た瞬間。
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