銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第8章 ブラックトリガー争奪戦
「うへぇ~。さすが、海影と迅さん。イヤな地形選ぶぜ。射線が全然通ンねぇじゃん。てかあいつ俺の居場所わかってんな。こえ〜。」
「五人固まってるとなかなか殺しきれないな。」
「しかも迅はまだ風刃も一発も打っていない。九十九もだ、あいつはブラックトリガーですらなかった。」
分析するように風間は走り去っていく五人を見つめる。
「次はこっちを分断しにかかるだろうな。海影、今太刀川さん何を考えてるか、共鳴でわかるか?」
風間達から少し離れた民家の屋根で迅たちは止まると海影に問いかける。
『待って』
海影は意識を集中させた瞬間、アメジストの瞳からシトリンの瞳へと変わる。
海影がサイドエフェクトを使っている合図だ。
『陽介と小寺くんの合流を優先するしてる。太刀川さんと風間隊とスナイパー三人は総攻撃で迅と私をやるつもりだな。秀次と公平と陽介は嵐山隊の足止めをさせるつもりみたい。どうする?』
海影のサイドエフェクトで得た情報をすべて言い終わると、迅に問いかけた。
「別に問題ないよ。何人か嵐山たちに担当してもらえると、結構楽になる。風間さんがそっちいかなかったのは残念だけどね。海影、プランBのなったとき用にノーマルトリガーからブラックトリガーになってくれ。」
『城戸さんに許可なしで使うなって釘刺されてるんだけどなぁ....ま、いっか。』
迅の指示で海影はノーマルトリガーを解除すると、首につけているチョーカー型のブラックトリガー赤月を起動させた。
「うちの隊の足止めは三輪先輩ですか...レッドバレットを使ってきそうですね。」
『100%あり得る。秀次なら使わないってことはない。』
「どうせなら分断されたように見せかけてこっちの陣に誘い込んだ方がよくないですか?」
「そうだな。賢と連携して迎え撃とう。」
「海影はスナイパーを担当してくれ。そっちのほうが戦いやすいだろ?プランBになったら頼んだぞ。」
『りょーかい。スナイパーも風間さんも抑えて見せる。』
嵐山隊の考えが纏まったところで、三輪達がこちらへ向かってきているのが見えた。
『迅、来た。』
「上手いことやれよ嵐山!」
『お願いします。嵐山さん』
「そっちもな!迅。海影。」
お互いの健闘を祈り迅、海影チームと嵐山隊で別れて行動することになった。