銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第18章 銀の鳥と仲間たち
『貴方はあの時の...』
「怪我は大丈夫なのか?」
「海影!お前目が覚めたんだな!怪我は大丈夫か?」
「海影っち。今回は派手にやったね。大丈夫?」
「師匠、不覚を摂るとはまだまだですね!」
『ヒゲの人と誰?』
「お前やっぱり記憶が...」
「記憶は戻ってない。だが混濁してるみたいでたまに記憶が戻ったり戻らなかったり、で、太刀川隊には城戸司令直々の命令で海影の面倒を見てもらうことが決まった。今すぐでは無いけどね。」
「話が急に飛んだな。まあいいが。出水から聞いてる。アイツが城戸司令に直々にお願いしたんだろ?」
「そ。でも意外だよね。あの城戸さんが了承するなんてさ。」
「意外だな。でもこれで出水も少しは安心するだろ。模擬戦生活もこれで終わりか。」
そう言うと海影の怪我をあんじている出水に視線を向けた。
「海影。傷はもう大丈夫なのか?」
『問題ない。それより貴方は?』
「俺は出水公平。お前の...」
『僕の?』
「お前の...」
「(お?お?もしかして?もしかして??)」
「お前の幼なじみだ。」
ガクッ!と太刀川、迅、国近の3人は一斉にすっ転ぶ。
肝心なところでそれかよ!と3人の心が一緒になり、心の中で迅たちはツッコミを入れた。
「出水先輩!そこは恋人でしょ〜!意気地無しですね〜」
『貴方と僕は鯉、人?なのか?』
「うん。多分だけど海影が言ってる"鯉人"と唯我が言ってる"恋人"は違うと思う。」
『では、コイビトってなんだ?』
「それはですねー!お互い好きあってる者同士のことを言うんですよ!」
『へー。出水って僕のこと好きなの?』
「あ、いや...そういう訳じゃ。いや、だからって別に嫌いってわけじゃないっていうか、なんつーか。えっと。唯我、テメェ覚えとけ。後で蜂の巣にしてやんよ。絶ッ対ェ逃げんなよ。」
「ヒィ!人権団体を呼んでください!!」
『それで?貴方と僕はコイビトなの?』
「まだ違ぇ!」
「ほほう。"まだ"ね。」
「ちょっと柚宇さん!とにかく!お前と俺は幼なじみだ!」
『そうか。幼なじみなら僕のことをよく知ってそうだな。えっと出水。これからよろ────「公平」
『え?』
「公平って呼べよ。」
『ん。公平。よろ、しく。』
パシッとお互いに握手すると、グイッと身体を引っ張られ優しく抱きしめられる。
