銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第18章 銀の鳥と仲間たち
「まずここがどこかだな。この部屋は捕虜を捕らえる部屋だ。今のお前は俺たちにとって危険すぎるからな。大丈夫。危険がないと思われればすぐにでも解放してやるから。」
『なぁ本当に貴方たちは仲間なのか...?』
「ああ。」
「そうに決まってるじゃない!」
『でもハイレインはあなた達は敵だって言ってた。』
「敵ならお前を命懸けで助けるわけないだろ?」
『...(確かに。彼の言う通りだ。)』
「信じてくれるか?」
海影はそっとサイドエフェクトを使い迅の思考を覗く。
『(どうやら嘘は言ってないみたいだな。信じた振りをしていた方が何かと都合がいいかもしれない。ここは信じた振りをするか。)
わかった。貴女たちを一応は信用する。でも条件がある。条件は赤月を返してもらうこと。その条件が飲めないならここを1歩も出ないし、協力もしない。』
そういうと2人はどこがほっとしたような表情を浮かべた。
「わかった。その条件を飲むよ。そうと決まったら、とりあえずまずは検査だな。」
『検査......』
「そんなに身構える必要は無い。別に変なことはしないよ。ちょっと体調が大丈夫か調べるだけだ。その後お前に会わせたいヤツらがいるんだ。」
いつまでもこんな部屋に閉じこもってちゃ暇だろ?と迅はそう言うとどこから持ってきたのか車椅子を取りだしてどうぞどうぞと差し出す。
『これ乗らなきゃダメなのか?』
「ダメだ。お前右脚にヒビが入ってる。その他もろもろ傷が多いし傷に障ったら大変だからな。」
「海影。アンタまさかその怪我で乗りたくないなんて言い出すんじゃないでしょうね?」
『いや、これかなり目立つんじゃないかと思って.....』
「我慢しなさい。それとも何?私か迅に抱き抱えられたまま医務室にでも行く?」
『イイエ、クルマイスガイイデス!』
「なら早くしなさい。」
『はい...(この体制じゃ逃げられないだろうな。足にもヒビが入ってるらしいし。)』
半ば強引....いや、 脅されて車椅子に座る。
迅は座ったことを確認すると、骨や傷に響かないように気を使いながら、ゆっくりと車椅子を進めた。