銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第17章 傀儡と不思議な少年
「ここだよ!」
雪音に案内されたカフェはこじんまりとしていて洋風のいい雰囲気のお店だった。
さっそくこのお店のタルトを頼むとそれを食べながら、雪音と話始めた。
「今日はどうしたの少し元気なさそうに見えたけど」
『えっ.....そ、そうかなぁ?』
「うん。すっごく暗い顔してる。」
『.....嫌な夢を見たの。それも、なんかハイレインの命令で玄界と戦う夢.....そしたらね。その人たちが言うの、僕はその人たちの仲間だったって。戦っていく内になんだがこの人たちを傷つけるのが怖くなって悲しくなった。そしたら本当の僕はどこにあるんだろうって分からなくなって気がつけばここに居た。でもその夢時間が経つとはっきり思い出せなくて.....何かを忘れているような.....って気持ちになっちゃって.....って!
私、何言ってるんだろ。疲れてるのかな?あはは。』
「.....海影ちゃん。もし、それが夢じゃなかったらどうする?」
『え?....うーんそうだなぁ。わかんないや。でも戦った人たちが本当に仲間だったのか気になるかな。ハイレインは玄界は敵だって言ってたし。自分じゃ考えられないや。命令が僕の全てだから。』
つまらなそうに御影はそう言ってタルトを口の中いっぱいに頬張った。
「そっか。.....俺が死ななかったらお前はそこまで歪まなかったかもな。((ボソッ…」
『え?何か言った?』
「ううん。なんでもなーい!あ、ほらこれ食べてみて!美味しいよ。」
雪音はそう言うと、海影とは違う味のタルトを口の中に突っ込む。
そして、それからは何事もない時間が流れ、緋色に包まれていた空は暗く星空が浮かび始めていた。
「じゃあ帰ろ。楽しかったね!」
『うん。ありがとう!雪音。また明日ね!』
「.....明日ね。」
そう言って2人は別れ、海影は家路へと着く。
家に帰ると家にいるはずの父や母の姿は無く、リビングのダイニングテーブルに灯影が1人で座っていた。
『ただいま〜』
「おー。おかえり。トルテ買ってきた?」
『ほい。バッチリ。』
「サンキュー!」
灯影にお土産のトルテを渡し、海影はバックを置くために部屋へと向かう。
そしてバックを置くと、夕食が用意されているリビングへと向かった。