銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第17章 傀儡と不思議な少年
「聞いてくれよ。こいつ寝ぼけててさ、起こしに行ったら、俺のこと誰だ?とかハイレインがどうとかって言ってたんだぜ。」
『ちょっ.....!』
「あはは。よっぽど寝ぼけていたのかい?」
『あ、えっと.....うん。そりゃまぁ。でもなんでだろう。あんまり覚えてない。』
「夢ってそんなものよ。」
『そんなものなのかなぁ。』
パクパクと朝ごはんを食べながら海影はうーんと唸る。
「つうかさ、まだ俺の名前思い出せねえとか言わねえよな?」
『あー。どうだろ....』
あはは...と苦笑いを浮かべると少年はまだ寝ぼけてやがる!と言って俺は灯影だ!と名乗った。
『灯影.....(どこかで聞いたことあるような.....)』
「ちょっと!もうこんな時間じゃない!灯影!海影!パパ!遅刻するわよ!」
『「「ヤバっ!!」」』
他愛もない話をしていると、すっかりと時間を忘れていた父と海影、灯影は大急ぎで共に家を出て学校へと歩き始めた。
「おはよう。灯影くん。海影ちゃん。」
「よォ。鳴神。」
『おはよう。えっと鳴神さん....』
「......」
『(えっ!なんかおかしかった?)』
「あはは!何"鳴神さん"って!いつも通り雪音って呼んでよ!」
『え!ああ!そうそう雪音!ごめんごめん......(誰??)』
「海影ちゃん!今日遊ばない?駅前に美味しいカフェが出来たんだけど、そこのタルトが美味しいらしいの!」
『あー...うん!行く!』
「おい。海影。トルテ買ってこいよ。」
『.....』
「海影?」
『あ、うん。トルテね。わかった。』
それからは学校へ行って、授業が終わると雪音と一緒に駅前のカフェと向かっていた。