銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第17章 傀儡と不思議な少年
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チリン......チリン.....
『(鈴の音がする......ここはどこ?あれ?僕どうなったんだっけ......)』
目を開くとそこには見知らぬ光景が広がっていた
「....かげ。.....海影!」
誰かが呼ぶ声が聞こえる。
声はだんだん大きくなり、海影はゆっくりと目を開けると見慣れない部屋に見知らぬ少年の姿があった。
『.....誰?』
「は?誰ってお前っ.....何言ってんだ?俺のこと忘れたのか?寝ぼけるのも程があんぞ!はぁ。お前がいつまでも寝てっから起こしに来てやったんだろうが。もう朝飯できてんぞ。さっさと起きろ!父さんも母さんも下で待ってんぞ。」
『何言ってるの!?ハイレインは!?作戦はどうなったの!?それに貴方たちは─────
(あれ?なんて言おうとしたっけ。それよりこの人誰だっけ?)』
「は?お前何言ってんの?ハイレインって誰だよ。お前何言ってんだ?」
『.....ごめん。なんて言おうとしたか思い出せない。』
少年は寝ぼけてんのかこいつという呆れた表情をすると海影をベッドから引っ張り出した。
「ほら、さっさと着替えろ。
二度寝すんなよ。したらお前の飯食ってやるからな。」
『え。それはやめて欲しい。
(そういえば、ハイレインってなんだっけ?ここ一体どこなんだろう。)』
もんもんと考えながら御影は言われるまま目の前の壁に吊るされた制服に手をかけ、着替えた。
そして階段を降りると、またもや見知らぬ男女と少年が他愛ない話で盛り上がっているの姿があった。
「おはよう。海影。朝ご飯できてるよ。」
『あ、うん。おはよう。えっと(誰?)』
「今日はお父さん特製のサンドイッチが朝食だよ。」
『ありがとう.....お父さん?(ということはあっちの女の人がお母さんか。じゃあこの男の子誰なんだろう。)』
「早く席につけよ。海影。」
言われるまま席につき、すっかり、これは現実だと錯覚してしまった海影はこれが夢だということに気づくことはなく、夢なのに味がする食事を摂る。