銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第17章 傀儡と不思議な少年
「城戸さん。海影の心臓がトリオン体って本当なんですか?」
「ああ。何故それを知っている?知っているのは旧ボーダー隊員と上層部だけだが。」
「迅さんに聞きました。」
「そうか。海影の心臓がトリオン体と聞いたな......本当ことだ。」
「じゃあ、赤月が灯影ってのも」
「事実だ。」
『っ。あの....海影このまま死なないですよね?大丈夫なんですよね!?』
「迅の予知だともう死ぬ可能性はは無いと言っていた。だが本当の海影に戻るかは....」
「戻らなかった場合どうするつもりですか?」
「心苦しいが海影をガロプラ及びアフトクラトルの捕虜として扱う。」
「そんなの!あんまりじゃ!!」
「それが彼女の為でもあり、願いなんだ!」
城戸は珍しく声を荒らげると出水を見据え、遺書と書かれた海影が大規模侵攻前に書いた紙を手渡した。
そこには海影がもし自分が捕まって敵に操られるようなことがあったらこうしてくれと言う旨の事が書いてあった。
「っ!それなら....それなら!城戸さん!お願いがあります!」
「....?」
「──────。」
「────......わかった。検討してみよう。」
出水の頼みを聞きた城戸は一瞬悩んだような表情を見せるが直ぐに検討することを了承した。
「ありがとうございます。」
出水はそう言うと海影の頭を優しく撫でた後に部屋を去って行く。