銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第17章 傀儡と不思議な少年
「今海影の身体には敵の未知のトリガーが埋め込まれているらしい。トリガーホーンも相まって、脳が大ダメージを受けている。正直目覚めるかどうかは難しいそうだ。」
「敵の未知のトリガーって!?」
「恐らく海影を操っているトリガーだろう。」
「は、それ、どういう意味ですか?アイツが操られている!?忍田本部長!風間さん!」
「.....私から話そう。 」
「忍田本部長。よろしいのですか?それは今回の任務で1番の機密情報────「いいんだ。海影がこちらに帰ってきた以上、いずれは言わなければならないことだ。」
忍田はそう悲しそうに言うと、忍田は予めエネドラから知らされていた【ビーストトリガー】のことについて全てを話し始めた。
聞いた誰もが顔面蒼白となり、出水はその場にへたり込んだのだった。
「未知のトリガーってなんだよ。操られてるってなんだよ!俺はこのまま何もできないまんまかよっ。」
ダンッ!!出水は無力感を抱きながら勢いよく拳を壁にぶつける。
何度も何度も何度も......彼の手が赤く腫れ上がるまで。
それを三輪は腕を引き上げ止めさせた。
「やめろ!こんなことしたって海影が正気に戻るわけじゃない!」
「....っ。」
わかってるよ。そんなこと。苦しそうに告げられた言葉に三輪は呆れたようにため息を零すと、ICUで深い眠りにつく眠り姫に視線を向けた。
「俺たちにだってできることはある。」
「!」
「忍田本部長だけじゃない風間さんも太刀川さんも自分のできる範囲でコイツを助けようとしている。出水。お前にしかできないことがあるんだ。前も言ったがそこを見誤るな!絶対にだ。アイツを救えるのは他でもないお前しか居ないんだからな!」
「!......っ、ああ!」