銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第16章 ガロプラと小さな傀儡
「小南!!!離れろ!」
「え?」
『2人は私と心中してくれるのね?』
すると風間と対峙していたブレード数本が一気に小南と海影を目掛けて飛んでくる。
そして2人を串刺しにすると
カアァァァァァ!!!
と赤月が目も開けられないほど発光する。
にっこりと小南に笑顔を向ける海影。
そして光が一点に集中した時だった。
ドオオオオオォンッ!
爆音が鳴り響き、辺りが見えなくなるほどの黒煙が上がった。
ドンッ!ドンッ!と2つの爆発音が聞こえて、小南と風間がベイルアウトしたことがわかった。
ガラガラ......
格納庫の扉が崩れ落ち、中の遠征艇が見える。
しかし、遠征艇は少し傷が入った程度で、壊されてはいなかった。
『(マジか......頑丈すぎ.....)ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...!!』
ベシャッと血が吐き出され、傷ついた身体から止めどなく血が溢れ出す。
酷い火傷に酷い裂傷を負った海影は重い瓦礫から押しつぶされその場から動くことが出来ず、全身には激痛が走り、折れた骨が肉を突き破っていた。
おそらくだが内蔵もどこかしらやられているだろう。
さっきから吐血が止まらない。
あぁ寒い.....寒いよ.....
この感覚昔どこかで.....
『.....ぁ。ミラ』
バチバチ!!とブレスレットから黒い稲妻が走り、大窓が開くと中からミラが姿を表す。
『作戦.....失敗。傷しかつけられなかった......』
「.....はあ。作戦は失敗。自爆を使ってでも遠征艇も破壊できないなんて使えないわね。」
『......ごめんな、さい。 』
「謝ることしか出来ないの?何のために貴女をここに派遣したと思っているの?本当に使えないわね。また実験動物にでも戻る?」
『それは.....嫌。ねぇ、ミラ。僕をガロプラの遠征艇に繋いで。』
「諦めなさい。どの道その怪我じゃ作戦は無理だわ。さぁ帰るわよ。」
そう言ってミラが海影に手を伸ばした瞬間だった。