銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第16章 ガロプラと小さな傀儡
『っ!あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ!!」
ガキンッ!!!
武器を拾い上げた海影が小南に切りかかる。
それを小南は咄嗟に受け止めた。
『た、た、助け、て.....蒼兄.....ああぁぁぁ!』
「ッ!」
ガキンッ!!!
一瞬だけ自我を取り戻した海影は操られながら小南や風間に助けを求める。
『もう誰も傷つけたくない.....の、私をとめ.....て!』
「ッ.....海影.......あんたは私たちが取り戻す!!」
『あ、ガガガガッ!!助けて.....助けて....!!』
「っ!海影.....ごめんっ!」
それからは激しい戦闘が繰り広げられる。
しかしA級上位相手に1対2ではさすがに部が悪く、あっという間に逆されると左足と右腕を切り裂かれてしまった。
「海影。もう投降しろ。頼むからもうお前の苦しんでる姿を見たくないんだ。」
「【海影。何を躊躇している。あれを使え。】」
キィィィィィ!
左目が熱くなって体が言うことを効かなくなる。
何かに侵食されるように意識が遠くなり、海影の自我はまた崩壊してしまった。
『わ、わた、僕は....命令を遂行....する』
「やめなさい!海影!!」
「【ミカゲ。あれを使え。目の前の敵を倒せ。そして遠征艇を破壊しろ。】」
『(やっぱり2人は強いな.....私は多分、勝て、ない。)』
「やめろ!海影!!」
『あーあ...死なないといい...な...』
一筋の涙を流し、どこか寂しそうにそう笑って呟いた海影はダダダッ!!と走り小南と距離を詰めると小南に抱きついてニンマリとほくそ笑んだ。