銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第16章 ガロプラと小さな傀儡
ガガガガッ!!!
急に後ろから放たれた弾に気づいたウェンが海影を突き飛ばし、シールドでガードする。
「【大丈夫?ミカゲ】」
『【うん。大丈夫。ありがとう、ウェン。】』
「【後ろから射撃追ってきてる。】」
「【巻けるか?】」
そう言って4人が過度を曲がるが、放たれた弾は4人を追うように曲がる。
『バイパー......この使い方.....那須ち───』
─────ズキンッ!!
『ぐぁ!頭痛いぃぃ.....』
「え?ミカゲ?」
海影の口からボソリとこぼれた言葉にウェンが反応する。
しかし直ぐに激しい頭痛によりその問いかけに答えは帰ってこない。
そんな中でも那須が放つバイパーは4人を仕留めるように後ろから攻撃の手を伸ばしていた。
「【うっと惜しい。ここで止めるわ。】」
「【任せた。】」
『【ウェン。気をつけてね。】』
切り離されたウェンを尻目に海影は2人の後ろを着いていく。
『コスケロも追っ手に見つかったみたい.....ハァハァ......』
「ミカゲ大丈夫か?」
『大丈夫少し頭痛がするだけ。作戦の邪魔になるようなら切り捨てていいから.....』
「.....わかった。(やはり実戦投入はまだ早かったか?奥の手として残しておくべきだったか?)」
「おかしいですね。トリオン体なら痛覚はほぼないはずなのに。」
『なんでだろ.....』
「とにかく外が崩れる前に早く終わらせましょう。」
3人は後ろ髪を引かれながらもそのまま奥の廊下へと消えていった。
「敵の作戦が大胆すぎる。そもそも捕まることを恐れていないのか。あるいはそれだけの自信があるのか....」
遠征艇を目指し奥へと消えていく3人を司令室から眺めていた忍田は訝しげにモニターを見つめていた。