銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第16章 ガロプラと小さな傀儡
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「ドグ9号偵察モードで行動開始」
「結構手際いいですね。玄界の兵は。」
『連携....が取れてるよね』
映し出された画面を前に、誰もが訝しげに壊れたトリオン兵を見つめる。
「今のやつらがトップレベルなら楽なんだけど....」
「真ん中ってところじゃない?昨日見た槍使いの方が強かったよ。」
『ウプ。画面酔う....』
「ヨミ。あんま動かすな。酔う。てかもう酔ってる奴いる。」
隣で顔を青くする海影を一瞥してレギーはヨミにクレームをつける。
「探知トリガーは無効化してますが、これ以上は近づけません。監視の目にかかります。」
「やはり忍び込むのは難しいか。」
ガトリンは悩むように呟く。
そしてチラリと画面酔いしている海影に視線を向けた。
「相当警戒されて気がしますね。」
「アフトから情報漏れてんじゃねーだろうな?」
『アフトとの対戦、から日も浅い....警戒が強いの、当然。』
「ミカゲの言うことには一理あるね。」
ウェンとコスケロはウンウンと頷く。
「この3日間のトリオン追跡とミカゲの情報で【目標】が地下にあることはわかってます。強行突破で問題ないでしょう。新型トリガーもあります。」
「『異議なし』」
その場の全員がラタの意見に賛成する。
「トリオン兵は?」
「戦闘準備できてます。」
「....よし。玄界の部隊が交代する時間を狙うぞ。日が沈んだら仕掛ける。【目標】は────」
────「玄界の遠征艇だ。」