銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第4章 ボーダー本部
『確かに修は隊務規定違反をしたかもしれない。でも、修のお陰で助かった命があるのも事実。実際今回のネイバーと交戦したとき、修の避難誘導があったからこそ、木虎も私も戦いやすかった。それに根付さんは【ボーダーは緩いと思われても困る】って言ってましたけど、そうでもないっぽいですよ?
彼のおかげでボーダーへの信頼度は上がっています。
これらを踏まえて、訓練生であるC級でここまでサポートが出来るのは彼ぐらいだと私は思いますよ?』
にっこりと海影は笑って城戸と忍田を見る。
「嵐山隊の報告によれば、三門第三中学校を襲ったネイバーは三雲くんが単独で撃退している。隊務規定違反とはいえ、緊急時にこれだけの反応ができる人間は貴重だ。彼を処分するより、B級に昇格させてその能力を発揮してもらうのうが有意義だと思うが?」
「本部長の意見にも一理ある...が、ボーダーのルールを守れない人間は私の組織には必要ない。三雲くん。もし今日と同じようなことが、また起きたら君はどうするかね?」
城戸の言葉でその場が一気に緊迫した空気になる。
張り積めたような空気の中、三雲は物怖じすることなく、しっかりと城戸の目を見るとこう言った。
「目の前で人が襲われていたら、やっぱり助けに行くと思います。」
場が一瞬にして凍りつく。