銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第15章 絶望の足音
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海影がアフトクラトルに拐われて約1ヶ月の歳月が過ぎようとしていた。
「海影....お前今どこにいんだよ。」
出水はプレゼントのマフラーに顔をうずめると数日前に告げられた修の言葉を思い出す。
【あの、海影先輩からの伝言です。本当は伝えようか迷ったんですが...】
修はそう言うと真剣な顔で出水を見て見つめた。
【約束...守れなくてごめんね...ずっとずっと.....心から公平を愛してる。】
その言葉を思い出した瞬間
もう何度目か分からないため息を吐く
「何約束破ってんだよ。あのバカ。」
【ずっとずっと.....心から公平を愛してる。】
「俺だってお前のこと......っ、なんで言い逃げすんだよ。」
俺だって好きに決まってるだろうが。と悔しそうに呟くとまたマフラーにかおを埋めた。
「何ボヤいてるんだ?出水」
聞きなれた声を前に顔を上げると、コーヒー片手の太刀川が立っていた。
「太刀川さん」
よいしょと太刀川は声を出しながら出水の隣へと座る。
「海影の事か?」
「はい。あいつ今頃どーしてんのかなって...」
「....」
「って分かるわけねぇッスよね。俺何言ってんだろ。」
焦った様子で出水は発言を濁すと視線を泳がせる。その様子に太刀川ははぁとため息を着くと気まずそうにしながらも口を開いた。