銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第15章 絶望の足音
「なんでそんなことが言えんだよ!戦利品がなきゃ割に合わねぇよこんな仕事」
『今、あなた達が、玄界の民に手を出せば...その戦力、はあなた達の国に向く。』
【!?】
噛み付くレギーに対し、海影は冷静にそう答えるとその言葉の意味を理解した数名が目を見開く。
「ミカゲの言う通りだ。うちの方が軌道的に近いからな。」
「つまり、【玄界の狙いをうちの方に逸らすこと】がアフトクラトルの本当の狙いってことですか?」
「俺はそう見てる。実際はどうかは知らないがな。」
ガトリンはそう言うと素知らぬ顔をするミカゲに視線を向けた。
「あの角ヤローども。」
「やめな。仮にもアフトの兵の前でそんなこと言うんじゃないよ。」
憎しみのこもった声でつぶやくレギーをウェンが止める。
「玄界はブラックトリガー4人を含むアフトの精鋭を退けた。フォームの戦術的な有利があったとはいえ相当な戦力た。そんな相手の恨みをわざわざ買ってまでアフトの都合に合わせる必要は無い。」
「別に玄界が攻めて来たってどうってことねぇっすけどね。」
「先のことを考えるときついと思うよ。レギー。
玄界はここ数年で急激に成長してるから。」
生意気を言うレギーをコスケロが論破する。
「うちの国は小さいから余計な敵作ってらんないよ。」
「恨みはなるべく買いたくないが、足止めの任務は遂行しなくてはならない。そこで基地への破壊工作と言うわけですね。」
「そういうことだ。」
内容をまとめたラタの言葉にガトリンは頷く。
「玄界の軍事施設にピンポイントでダメージを与えて玄界の動きを止める。任務については納得出来たか?そろそろ作戦の話に移るぞ。」
【了解】
その場の全員がコクリと頷くと「ヨミ。」と言って隣に座っていた少年へと合図する。
すると少年は手に持っていた機会を操ると目の前に模型を出した。
「アフトから送られてきたデータによると、確認された玄界の実働部隊は40〜50人程度。総数はその倍から3倍はいると考えられます。雛鳥は戦力として数える必要はないでしょう。」
ヨミはそう言うと模型に黒いトリガーを加える。
「そして、少なくとも1つ多ければ4つのブラックトリガーを持っています。」
「1本4本じゃだいぶ違うじゃねえか。適当な情報寄こしやがって。」
レギーが不満をたれるとガトリンが海影に視線を向けた。