銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第15章 絶望の足音
「すみません。レギーは普段はああですが、頼りになる奴なんで。」
『気にしてない。あなた達、の過去を考えたら、当然だから。』
「なら、良かったです。では降りましょうか。」
ラタに連れられ、海影は下に降りる。
狭い作戦室には、額に傷がある男と、ヘルメットを被った少年と、パンを食べる男、そしてピンク髪の女性が目に入る。
「お待たせしました。」
「へぇ。その子がアフトの兵?まだ子供じゃん。」
「見たところ、ラタとレギーと歳が近そうですね。」
『え、レギー。17なの?』
「あ?そうだけど?」
『嘘だ』
「っんだと!コラ!」
『あなた....たちは?』
「私はウェン・ソー。同じ女同士仲良くやりましょ。」
「ボクはヨミと言います。」
「俺はコスケロ。よろしく。」
コクリ。と海影は頷くとまだ自己紹介していない額に傷の男に視線を向ける。
「俺はこの隊の隊長のガトリンだ。お前の所有権は俺がアフトから一任されている。しっかり働いてもらうぞ。」
『僕はミカゲ。ハイレインの、命により、あなた達をサポートする。好きに使って、くれ。』
「さぁ。紹介も終わったところだし。任務の最終確認だ。」
ガトリンの言葉を皮切りに、机が光り出すとボーダーの設計図か現れる。
「今回の任務について俺の決定を伝える。ミカゲはよく聞いておけ。」
『うん。』コクリ
「アフトクラトルからの司令は【玄界の足止め】
玄界の兵がアフトを負えないように打撃を与えるのが俺たちの仕事だ。やり方はこっちに一任されている。で、今回は───玄界の基地を狙う。」
「この人数で敵の基地を?」
レギーは自分の仲間の顔を見渡す。
「街を狙うんじゃないすか?」
「それはつまり、基地のトリガー使いを狙うってことでしょうか?」
「いや、狙うのはあくまで基地だ。人間は狙わない。」
「雛鳥を狙うのもなしってこと?」
ラタの次にウェン・ソーがガトリンに尋ねる。
ガトリンはその問いに頷くと「そうだ。」と短い答えを返した。
「何故ですか?ガトリン隊長。トリガー使いを捕まえれば玄界にとっては痛手...神の国の注文通り足止めにもなる。」
『でも....それをしたら、狙われるのは貴方たちだよ?』
【!?】
突然発言をしたミカゲに全員の視線が集まる。
するとガトリンは面白いと言わんばかりに目を細めた。