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銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】

第14章 囚われた銀翼


「ミカゲ殿、トリガーホーンを植え付けます。少し痛みますが、直ぐに終わりますから。」

そう言ってシリンジを取り出した研究員を見て海影の喉がヒュッ!と音を立てて、冷や汗が滲む。

記憶が無いとは言え、身体に染み付いてしまったあの時の恐怖は消える訳では無い。

その証拠にシリンジを見ただけでこの反応だ。

カタカタと肩が震えているのを見てハイレインは少し厄介だな。と内心呟くと海影の目の前を手で覆った。

『!』

「ミカゲ、怖いなら目を瞑っていろ。」

『う、ん。』

チクッとした痛みが走り、また何かが這いずるような感覚に襲われる。

「あ゙あ゙あ゙ぁぁぁぁ!!」

「トリオンが急激に増加しています!計測器がエラー!測定不可能です!」

「(計測器がエラーを出すとはな。)やはりいい駒になりそうだな。ミカゲ。」

ズキンズキンと頭が痛くなってしばらく拘束具に固定されながら悶え苦しんでいると、海影の額から2本の黒い角が姿を表す。

「痛い!!痛い!痛い!!!」

「落ち着けミカゲ。ゆっくり息をしろ。」

「ああぁぁぁぁ!!!」

「どうやら成功したようだな。」

『ハァハァ....』

「よくやったな。ミカゲ。」

ハイレインはそう言うと優しく海影の頭を優しく撫でる。
その行動に海影は少しだけ安心したような表情を浮かべると、気が抜けてしまったのか気を失った。

『っ。ん....』

「起きたか。気分はどうだ?」

『頭が痛い......』

「慣れるまではそうかもしれんな。」

目が覚めると、ハイレインにお姫様抱っこされながら敷地にある植物の温室を歩いていた。
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