銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第14章 囚われた銀翼
海影が実験を受けてから数日が経過した。
実験を受けてから3日後には目覚めた海影は行く宛など当然なく、必然的にハイレインの屋敷に身を寄せることとなった。
と言っても養子としてではなく実験動物としてだが。
「ミカゲ、ミカゲどこにいる。」
書庫という海影の檻に訪れたハイレインは海影の名を呟く。
するとガタと本に囲まれた椅子が動き、一人の少女が顔を出す。
『何...ハイレイン。』
「検査をするそうだ。研究室に行くぞ。」
『...』
少し嫌そうな顔を浮かべる海影。
どうやら、また実験や検査をされると思っているのだろう。
それを見てハイレインは小さくため息を着くと、海影の頬を愛おしそうに撫でる。
「今日は角をつける実験だ。これで最後の実験だ。大丈夫。トリガーホーンを植え付けるだけだ。すぐ終わるさ。不安なら終わるまで俺が一緒に居よう。」
『ほんと?』
「ああ。」
それを聞いた海影はホットした様子を見せ、ハイレインと共に屋敷の中にある研究室へと向かった。
「ハイレイン様。ちょうど準備が終わったところです。」
「そうか。」
少しだけ心配そうにハイレインを見つめるが、海影は直ぐにベッドの上に寝かされ、ライトに照らされる。
『(怖い...)』
「大丈夫だ。今日は採血とトリガーホーンを植え付けるだけだ。お前の身体にちゃんとビーストトリガーが定着しているのか、赤月との相性を確認するだけだ。
それ以外は何もしない。」
『ほんと、に?』
「ああ。不安なら俺もここにいよう。」
渋々わかったとつぶやくと海影は研究員の元へと向かっていく。