銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第14章 囚われた銀翼
数分か数時間か、多分時間にしては数分程度ではあるだろうが、海影にとってはとにかく長い時間痛みに耐えてきた気がする。
あれほど痛かった痛みがようやく落ち着きやっと来た安息の時間に意識を手放そうとする。
「どうやら、実験は成功したみたいだな。」
ハイレインはそう言って満足そうに北叟笑む。
『....あ......ぁ.....』
虚ろな目をした御影がハイレインを見つめる。
その眼には先程までなかったはずのネイバーの紋章が刻まれており、瞳の色も薄紫から濃い青へと変わり果てていた。
とうとう意識が限界に達し達したのか意味もない声を発し、海影の身体からダランと力が抜けハイレインの胸に頭を預けた。
「ミカゲ...これでもうお前は私のものだ。」
そう言って嬉しそうに笑うと、海影を丁寧にベッドへと寝かせ、ハイレインはというとベッドサイドに腰掛け気を失ってしまったミカゲの頬を撫で、汗で張り付いた髪のを取り払ったのだった。
もうこれで逃げられない...