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銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】

第13章 残された心たち


「城戸...司令...」

「...ああ。君たちか。学校はどうしたんだね。」

「「「...」」」

「はぁ。まぁ入りなさい。学校には今日は休むと伝えなさい。話を聞きたいのだろう?」

心無しかやつれた様子の城戸は家の鍵を開けると3人を家に招き入れた。

「すまない。海影が居ないものでな。今はコーヒーしかなくてね。飲めるか?」

カチャと3人の目の前に真っ黒なコーヒーの入った美しい装飾のコーヒーカップを置くと、隣に角砂糖とミルクを添えた。

「お構いなく。」

「ありがとうございます。」

「あざーす!」

「で、何が聞きたい...というのは無粋だな。
海影のことでここに来たのだろ?」

対面するように座った城戸は苦々しいブラックコーヒーを1口飲む。

「海影は...本当に行方不明なんですか?」

「...」

出水の問いかけに城戸は目を瞑るとフゥと息吐き、指をからませて、再び目を開けて3人を見据えた。

「行方不明...か、いや。少し違うな。海影はアフトクラトルに連れ去られた。ということが今わかっている事だ。」

「ヒュッ!」

「(やっぱりか.....)」

「どういうことですか!?迅の予知ではそんな未来をなかったはずです!」

「...迅曰く、土壇場で未来が変わったらしい。本来なら、選択外にあったはずの未来が選択のひとつとして出てしまったということだ。」

「助けれる見込みあるんすか?」

「...すぐには難しいだろう。少なくともB級ランク戦が終わるまでは...厳しい状況だ。」

苦虫を噛み潰したように顔を歪める城戸を見て、それ以上何も言えなかった。
だってそうだ。一番辛いのは城戸のはずだ。

自分が行けと言ったばかりに、連れ去られてしまった。
死んだ灯影の忘れ形見である海影を易々とネイバーに連れ去られてしまったのだ。
愛している家族と引き離される痛みは想像を絶するものだろう。

「それにあの子は...このことを...っ。すまない今日はもう帰ってくれないか?」

「「「わかりました...ありがとうございました...」」」

3人は差し出されたコーヒーを飲み干すと、城戸の家を後にする。
そのまま出水は学校に行くことはなく危険地域の中に入って海影が連れ去られたであろう場所に向かった。
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