銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第13章 残された心たち
それから何日も漂うような日々が続き、大規模侵攻の影響で休校だった学校が再開された。
「おはょ!」
「おはよぅ!良かった!無事だったんだね!」
「聞いてくれよ!俺の家さぁ───」
明るい顔で教室に入って来た生徒たちは、笑顔で友達の安否を確かめ合う。
所々からおはようという声や、笑い声が聞こえる。
そんな中いつも通り登校してきた出水はいつも通りに席に着く。
そしてぽっかりと空いた隣の席を眺めた。
「(アイツは...この世界に居ないのに、俺何期待してんだろ。)」
出水はグッと爪が食い込むほど拳握りしめると、フイ海影の席から視線を外した。
数分経つと、海影と仲が良かったクラスメイトが泣きながら、教室に入ってきたのを見て、その場の全員が何事だ?と騒ぎ出す。
そのクラスメイトはしゃくり上げながら、海影が海影がと繰り返しみんなにスマホを見せた。
そこにあったのは先日の大規模侵攻で連れ去られた33名の名簿だった。
クラスメイトが指さす名前を見ると