銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第12章 大規模侵攻
ドオオオオオォンッ!
辺りが見えなくなるほどの黒煙が上がった。
赤月で作られたシールドはボロボロと崩れ落ちる。
そして赤月に守られて無事だった修の目の前に、換装がとけた海影が立っていた。
見た目は無事そうだが、所々に痛々しい火傷と切り傷が視界に入る。
「海影先輩!!」
『修。そんな大声出したら傷が悪化しちゃうよ。』
ブッ!口の中に溜まった血を吐き捨てると心配する修に海影は優しい笑みを浮かべ、どさくさに紛れ取り戻したであろう千佳を修に手渡した。
「やってくれたな。銀の鳥!」
『「!?」』
突然声が聞こえて2人は咄嗟に声の聞こえた方向を見ると、そこには傷だらけではあるものの、未だ健在のハイレインの姿があった。
恐らく爆発する寸前アレクトールにより、自分の部分だけキュウブ化させ、難を逃れたのだろう。
おかげで海影もハイレインも少々の傷だけしかなかったのだ。
『(こっちは残りのトリオン全部引替えにして自爆したってのにほぼ無傷かよっ。チートにも程があんだろ!)』
ギリィと悔しそうに海影は唇を噛み締め、修は絶望したような表情を浮かべる。