銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第12章 大規模侵攻
「おいおい.....反則だろ....!」
『嘘でしょ......』
「無駄骨だったが健闘したな。玄界の射手たち。
さあ、金の雛鳥とそこの銀の鳥を渡してもらおう。」
「ムカつくぜ....海影。お前はベイルアウトしろ。あいつらはお前も狙ってる。
ここは俺が食い止める。」
『......』
「何してる!はやくにげ『ごめんね。公平。』
─────ザンッ!
サイドエフェクトで何かを読み取った海影は一瞬出水に申し訳なさそうな表情を浮かべるとスコーピオンで、出水の首を切り裂いた。
「なっ......みか、げっ。」
『私。弱いからこういう風にしか助けられないんだ。』
出水は突然のことに驚き呆然としていると目の前に魚が通りすぎた。
大量の魚が出水を狙っていたのだ。
それに気づいた瞬間
出水はギリィと唇を噛み締めた。
守ろうとしたら、守られたのだ。
【戦闘体活動限界 ベイルアウト】
飛び去った出水を見て海影はホットした表情を浮かべ人型に向き直った。
「なかなかに惜しい駒だ。捕らえて部下に加えたかったんだがな。銀の鳥。お前はどうだ?部下になるつもりは無いか?」
『....は?嫌ですけど?』
「強情だな。」
『御託はいいです。貴方には千佳も公平も渡すつもりはありません。』
ギロリッと敵を睨みつけた。
「海影!!逃げろ!!」
通信越しから出水の焦ったような声が聞こえる。
しかし、ハイレインを見据えた海影はその場を1歩も動こうとはしなかった。
許せなかったのだ。
千佳やC級だけでなく、自分の大切な人である出水までも、奪おうとする敵に怒りを顕にしていた。
すると煮えたぎる怒りを胸にそっと押しとどめながら海影は換装を解く。
その謎の行動に人型は理解できないという表情を浮かべた。
「なんの真似だ?」
『遊びは終わり。という意味ですよ。』
「なに?」
『[ 赤月 ]起動!!』
海影はチョーカーを撫ぜて声をあげた。
すると戦闘体が生成され、さっきとは打って変わった雰囲気を出していた。
そして海影の周りにはふよふよと小さな剣が飛んでいた。