第12章 大規模侵攻

「トリオン以外での攻撃か。目の付け所は良かったが、俺を生き埋めにするには少々瓦礫が足りなかったな。」

地面にうずくまった。
出水と海影を見下ろすと嘲笑うように人型はそう言った。

「あらら....もっとビルとかあるとこだったなあ.....」

『やっぱり足りなかったかぁ』

そこまで言うと海影も出水も清々しいほどの笑みを浮かべた。

─────『「...なんちゃって」』

「...！？」
　
ボッ！！

「なに...！？」

突如として人型の腹が貫かれたのだ。
予期せぬ事態に人は驚きの声をあげた。
そして冷静になり狙撃地点を見ると当馬、奈良坂、章平の3人のスナイパーが自分を狙っていたのだ。

「(建物を破壊したのは狙撃の射線を通すためか！)」

2発目が来た瞬間
魚の弾を増やし防御を固める。
しかし2発目は防がれたが腹に一発入ったことによりトリオンは大量に漏れていた。
それに加えてアレクトールの消費量は半端なく、人型は言葉通り万事休すと言うところだった。

「さぁてスタミナ勝負と行こうか」

『月見さんこっちでガードを削ります。スナイパーへの指示は任せました。』

「わかったわ。」

「出水、九十九。俺たちが端から削ってく、お前たちは気にせず戦え。」

『ありがとう。奈良坂君。』

「任せたぞ。奈良坂〜」

「アステロイド！」

『バイパー！』

次々とガードを削り、その隙間を着いてスナイパーが当てていく。
僅かな穴でさえ当てていくスナイパーに出水は心底面白そうに笑った。

『うそぉ。当ててるし！』

「ウチのスナイパーどもは変態だな！」

『遊んでる暇無いしさっさと倒しちゃお。』

「だな。」

さらに追い討ちをかけようとした時だった。
海影たちの前に現れたさっきのワープ使いが、スナイパーのところに現れたのだ。
そのせいでスナイパーは封じられだが、人型はトリオンに限界がきはじめているのだろう。
魚の追加はもうほとんどなかった。

「[勝負は決まった]と思っている顔だな。」
　
「...！！」

『なに？あいつのトリガー光ってる。』

アレクトールが眩い光を発したかと思うと
人型の周りに転がっていたキューブが糸のようになり、アレクトールへと吸い込まれていく。
それと同時に大きく欠損していたお腹の傷がまるで何事も無かったように再生し始めたのだ。