銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第4章 ボーダー本部
「空を飛んでるだけあって、上はがら空きね。」
「とか、キトラとミカゲが思ってたらまずいな。」
遊真が予想した通り、木虎は若干の油断を見せた時だった。
ネイバーの背中から触手のようなうねうねした物が生えてくる。
『「なっ!!」』
それはチカチカと光を放つと海影たちを敵と認識したのか、ボンッ!!と音を立てて爆発する。
「この程度?」
『油断厳禁だよ。木虎。 』
「わかってます。」
固定シールドを解除すると木虎はスコーピオンを、海影はメテオラを展開する。
『メテオラ!!』
飛んでいた弾は木虎の目の前の外郭を破壊する。
そして亀裂が入ったところを木虎がすかさずスコーピオンで破壊して銃で玉を打ち込んだ。
ボンッ!!ネイバーはその亀裂から爆発するとトリオンを放出しながら段々とコードを下げていく。
「キトラとミカゲがイルガーを落としたぞ。」
「ああ。しかしそうなるとまずいな。」
下で見ていた遊真とレプリカの表情が変わる。
二人が予想した通り、イルガーと呼ばれるネイバーはガシャンッ!とその口を閉じると海影たちが立っている場所に紫色の怪しい柱が現れる。
『なっ!何これ!』
「何!?」
急なことに二人は混乱しながらも臨戦態勢を取るがイルガーは全くもって攻撃してくる気配がない。
どういう事だと考えているとイルガーの体が街の方に向かって落下していることに気づいた。
「まさかこいつ....このまま街に墜ちるつもり!?」
『落ちる前に1個でも多く破壊するよ!』
「了解!」
イルガーにはある特徴がある。
それは大きなダメージを受けると付近で最も巻き込める人間の多い場所めがけて落下し、全ての内蔵トリオンを使って自爆すること。
それ故に木虎と海影の攻撃がまずかったのだ。
「落ちる前に空中でドン!だろ?ミカゲはともかく、キトラに見つかんないようにしなきゃな。」
修の頼みを聞いていた遊真はすぐさまブラックトリガーを起動させると、イルガーに向かって飛び上がろうとした瞬間。