銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第12章 大規模侵攻
「海影。やれるんだな?」
落ち着いた声が海影の耳で木霊した。
声の主は海影が幼い頃から尊敬し、信頼している城戸だった。
海影はその声を聞いて、少し昔のことを思い出す。
稽古する時によく問われていたことだ。
────「やれるんだな?海影。」と....
懐かしい昔の記憶を思い出し海影が頬の骨格を上げながら自信満々に
『やれるよ。城戸さん。絶対仕留めてみせる。』
そう自信満々に言って見せた。
すると通信室の城戸はフッ。と笑った。
「....いいだろう。好きにやれ。」
「「城戸司令!?」」
「城戸さん!?いいんですか?」
「好きにさせてやれ。下手に人員を割くよりマシだろう。戦力が分散すれば危険だ。それにやれると言ったからにはやる子だからな。
必ず、仕留めてこい。」
『ありがとうございます。城戸さん。』
ブツっ。海影はすぐさま通信を切るとスコーピオンを力いっぱい握り締めた。
「一人でやるなんて無茶です!海影先輩!」
「いや、ひとりじゃない。」
止めようとする笹森のすく後に聞こえた声に海影は苦笑いを浮かべ、振り返ると怖いオーラを漂わせた風間が屋根から海影達を見下ろしていた。
「随分と大それたこと言ったな海影。1人で新型を2体も相手取る気か?敵を甘く見るなとあれほど言っただろう。少しは連携を覚えろ。」
「またそうやってかっこつけて無茶しようとしてさぁー。いっそ風間さんに説教でもされたら?」
「コラ!菊地原!海影先輩。加勢しに来ました。でも.....俺も正直同じ意見です。九十九先輩あんまり無茶はしないでください。」
『わー。風間隊だー(震)』
そういうと海影はヒクッ。と顔を強ばらせ笑い、堤たちはその高圧的な雰囲気に冷や汗を垂らしていた。