第9章 Drunk Sweetie
「それよりさ、さきの話し方独特で可愛いじゃない。地元の訛り?」
屈託のない笑顔をアンコが見せる。
『あぁ、これは関西弁。 少しきつく聞こえるかもやけどそんなつもり全くないから...気にせんでね』
「へぇ...聞いたことない方言だな」
「私も。話すの難しそう」
『そんなことないよ!私はこれが普通やから』
アスマや紅も交えて他愛もない話を交わしていると、パンっと勢いよく店のドアが開き、ドドドドドとこちらへ向かってくる緑色の足が見えた。
顔ではなく、足がずんずんと近づいてくるのは多少の...いや結構...かなりの...恐怖心を煽られる。
『...っひ!!なに?!』
「あーあ来ちゃった」
カカシは胡坐をかいたまま頬肘をついてため息を吐く。
「待たせたな!お前達!お詫びにビール10杯一気だ!これぞ自分ルール!!」
「いや、辞めておけ普通に。」
さきは目を丸くしてほんの少し引き気味でその人物を見る。
カカシやアスマの対応からして、きっとこれが彼の通常運行なのだろう...。
キャラも濃いけど見た目も濃いし、何より特徴的なのは全身タイツ。しかも真緑だ。
(なんか...すっごい人きた......)
「うん?そちらの可愛らしい女性は?」
『.......え、あ、私? 夜野さきです。 カカシに連れてきてもらって...どうぞよろしく』
上手く笑えてるかな?と内心不安になる。
あまりに印象が強すぎて若干顔がひきつってる気がしなくもないが...
「そうか!我が永遠のライバルカカシの連れという事だな! よし、さき! 今日は俺達の現在に至るまでの熱き闘いの話を隅々まで...」
「ガイ!いいから早く座って。今日はさきもいるんだから、楽しく飲もうよ! カカシもひっさびさに来た事だしね!」
「そうよ。聞きたい事が山ほどね♪」
こうしてワイワイと始まったカカシ同期の飲み会。
アスマと紅はとても親切で、困ったことはなんでも言ってと気遣ってくれた。
カカシはガイの熱血(?)トークに、「はいはいすごいねー」と適当に相槌を打ち、どうやって飲んでるか分からなかったがチビチビと確実に酒を減らしていた。
アンコには、もっと飲めさき!とお酒を煽られた。