第6章 衝動…?
目が覚めると、ぼうっと低い木製の天井が見えた。
美味しそうな匂いがする。
カカシがご飯を作ってくれたのか...
さきはベッドの中でモゾ...と動き、虚ろな瞳で姿を探す。
彼はソファに座り、読書をしていた。
「あ。起きたか?飯出来てるよ。食うか?」
目が覚めたさきに早々に気づいてニコと微笑むカカシに、『食べる』と短く告げたさきは、するするとベッドから降り、彼がいる方へ向かってふらりふらりと歩いた。
あぁ......足が縺れる。
限界ギリギリまでチャクラを練っていたからだろうか。
よろよろと足元を踏み外すと、サッと正面に現れ腕を掴んで支えてくれたカカシと、自分の視線が混じり合う。
ああなんだか、それがとても心地よい。
「おいおい。しっかりしなさいよ」
カカシの優しい声がさきの鼓膜を震わせる。
疲れ切った身体の、覚醒しきれていない寝起きのぼうっとする頭に、カカシの低い声がこだまする。
少し、体がくすぐったい。
「お前まだ起きてないね」
カカシはぼうっとしている私を見てハハと笑う。
きゅ...と心臓のあたりがしまるような感覚がした。
__________ 最近、私は妙に心が暖かい。
カカシは、さきの体制が整うように軽く体を引き寄せ、そのまま彼女の手を引いて、テーブルの方を向いてゆっくりと歩みを進めた。
(あ......どうしよ.........)
あまり回らない頭の中、私はよからぬ事を思ってしまった。
もっと、彼に甘えたい...