第5章 私の先生、初めての生徒
「じゃ、今日から本格的に忍術を学んでもらう。 言っとくが、難易度はぐっと上がるぞ。基礎で叩き込んだチャクラコントロールは忘れないよーにね。」
『はいっ』
実はさきは、カカシに教わる前から簡単な忍術を会得していた。
無茶をするとカカシに怒られるのだが、忍者の学校で習うという分身の術、変化の術、変わり身の術などは図書館で借りてきた、まるで小学生向けの本に分かりやすく丁寧に解説されていたから、カカシが任務で居ない日は、カカシの課題に加え、少しずつ練習していたのだ。
たまたまカカシが任務から帰ってきたとき、さきが第3演習場を使用していたところ、忍術を練習してたさきに気付き、またあの忍び足で背後を取られて、頭を小突かれたのが初めてバレちゃった日。
それから、やれやれという形でチャクラコントロールと初級忍術を教えてくれるようになったのだ。
今日は初めて影分身の術を教えて貰えることになった。
「まずは手本からだな」
印を結ぶとボフンと煙をあげ、そこにはもう一人のカカシが立っていた。
「この術はどうしても実体がもう1人必要な時にだけ使うように。 さきはまだまだオレからするとチャクラが少ない。 一人増やせばチャクラは二等分。そこからもう一人増やせば本体ともう一人から二等分される。 こういった攻撃以外のチャクラの消費は極力少なくしなければ実戦には向かない。
勿論、影分身を解術すればチャクラは元に戻るけど、攻撃されて消滅した影分身のチャクラ分は戻ってこないからね。」