第72章 mew
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『そんなに…仲が良かったんですね。あの子の家にあった処分しきれていない写真にも、たくさん二人で写っていたから、そうなのかなと想像はしてましたけど…』
「何をするにしても二人一緒。イタチはサスケの壁となり、サスケはそんな兄のイタチを信頼し、尊敬していたニャ…それがあんな事件になるとは予想だにしなかった」
長い長い思い出話に、さきは猫又に座るように促され、その場で膝を抱え込んでその話に聞き入っていた。
その後も、サスケとさきが知り合ってからの話を猫又に聞かせていると、つい話に花が咲き、随分長く居座ってしまった。
するとそこに、
「ん?あれはさきふにぃ?」
「なんでこんなところにいるにゃん?」
猫バアの隠れ家からやってきたデンカとヒナが足音もなく現れた。
『え…?あっ!さっきの子たち!』
「デンカにヒナか。今日は来客が多いニャ…何の用ニャ?」
猫又が溜息交じりに尋ねた。
「猫又を猫バアの家に呼ぶように言われてきたけど…さきがここにいるってことはもう要件は伝えたってことふにぃ?」
「要件?…なんだ、やっぱりお前、ワシに用があったんじゃないかニャ。」
『わ、忘れてた…』
ここに来てようやくさきは本来の目的を思い出した。
猫又はそんな調子のさきに、今度は呆れた様子でもう一度溜息をつき本当の要件を話すよう促した。