第71章 meow
カカシとパックンは言葉を発さずに、二人揃ってじっとさきを見つめた。
―――いや、そんな風に見つめられても困るし、本当のことを言っただけなんだけれど…
「まさか猫派だったとは…」
「さきお前…猫好きだったんだ」
言葉は違えど、二人は信じられない、若しくは分かり合えないとでも言いたげな様子だ。
『そう!やから、できれば忍犬じゃなくて忍猫がいいなあ…なんて』
「うーん……やめた方がいいんじゃない?」
さきの提案を今度はカカシが一蹴した。
『えっ、なんで?』
てっきり二つ返事で、いいんじゃない?なんて言ってくれるものだと思い込んでいたさきは呆気にとられた。
確かにこういうことは、好きな動物だからいいという訳では無いのかもしれないが…
「忍猫は扱いが難しいって言われててね。契約者に忠実な犬と違って自由気ままな性格の猫は、口寄せをしてもそれに応じてくれなかったりもするらしい。」
『えぇ??そうなの??』
それは戦いの場においての忍としては死活問題でもある。
「まっ個体差はあるんだろうけどな…隠密向きだし悪くはないとは思うが、オレはちょっと扱いきれる自信はないね」
「拙者も仲良くできんタイプだな」
『ええ…?』