第71章 meow
思えば、自分は口寄せ動物を契約していない。
知る限りでも、カカシは犬を、ガイは亀を、自来也様は蝦蟇を契約している。
ともなれば、大抵どんな動物とでも契約できるものなのだろうか?
「さきはまだ契約を結んどらんかったか」
パックンはそのまま、大まかな口寄せ動物との契約方法を教えてくれた。
また、なんでもカカシとの最初の出会いはアカデミーに入学して間もない頃…カカシがパックンたち忍犬の住処に迷い込んできたのが最初だったという。
「ま、だから早い話…パックンに忍犬を紹介してもらうってのもいい手段かもな」
「うむ。忍犬の知り合いなどごまんといるからな。腕の立つ奴を数匹連れて……」
『う~ん……ありがたいけどそれは嫌かな』
さきはカカシとパックンの提案を一蹴した。
「え?どうして」
パックンともすぐに仲良くなれたさきのことだ。
忍としての力量を考えても、忍犬を扱うのは難しいことではないだろう。
しかしこんなラッキーな誘いを断るなんて、とカカシは瞠目する。
『実は…私ね?』
「うん」
「カカシの忍犬たちはみんな大好きなんやけど…」
さきは言葉を選び、少々渋りながらチラリと肩に乗るパックンに視線をやり、そしてカカシの顔を見上げた。
『私、犬より猫が好きなんよ』