第71章 meow
『えっ?カカシが?』
「左様!拙者ら八忍犬がカカシを育てたと言っても過言ではない」
そう言い、さきの肩の上で目を閉じるパックンはどこか得意げな表情だ。
(そうなんだ…カカシにもパックンに鍛えられた時代が……)
「まっ確かに昔はパックンたちと修行したりもしたっけね」
『へぇ…カカシはいつパックンを口寄せできるようになったの?』
「ん~?…いつだったかな」
「まだこんなに小さい頃だ。親父さんが生きていた頃だから、拙者たちはかれこれ20年以上もの付き合いということになるな」
パックンは両手…もとい前足を広げて、当時のカカシの身長を再現する。
…それはあまり確かなものではなさそうではあるが。
「え?もうそんなに経つの?…そりゃ、オレも歳を取るわけだね」
当の本人であるカカシも目をぱちくりとさせて驚いている様子だが、こちらこそ驚きを隠せない。
確かにパックンはどこか古臭い喋り方をするけれど、そんなにも長くカカシと一緒にいるだなんて思いもよらなかった。
と、言っても忍犬の歳なんてどんなふうに数えていいものかは分からないけど…と、思うと同時にさきは良いことを思いついた。
『そうか、口寄せ…!
カカシ!パックン!私も口寄せの術を覚えたい!』
「口寄せか…」
カカシはふむと考えるように目線を斜め上の空へと向けた。