第66章 予選開幕-2-
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ザクとシノの対戦が行われている中、サスケは明かりが少なく、意味深な柱が何本も立った部屋の中央に腰を下ろしていた。
「じっとしてろ」
カカシはサスケに必要最低限の指示を出し、クナイで自分の手の平を傷つけた。
傷口から溢れた血を利用して、サスケの首元の呪印を中心とし、それを囲むようにして、体、床、そして柱にまで
サラサラと術式を書いていく。
どこかで間違いがあってはならない。
カカシは術に集中した。
普段、余程のことがない限りあまり使うことの無い封印術。
サスケは強い忍だが、まだ成熟しきっていない子供の体だ。
そんな体に大きな負担をかける上、術を施したとて必ずしも大蛇丸の呪印の暴走を止めるとは断言し難い。
今後の全ては、サスケの精神力にかかっていた。
「よし!」
最後の一文字を書き終え、漸く術式が完成した。
サスケはこれから一体何が行われるのかと、少し緊張の面持ちで肩越しにこちらを見上げた。
「少しの辛抱だ。すぐ終わる」
カカシは素早く十個の印を組み、首元の呪印を右手で強く押さえ込んだ。
「封邪法印!!」