第64章 通過者と棄権者と
「あれでしょ。七班の子たち。ちょうど巻物を開くところよ。良かったわね!」
アンコが指差したモニターには、全身ボロッボロのナルト、サスケ、サクラの3人の姿があった。
『ほんまや…!良かったぁ……!』
なんだかホッと肩の力が抜けた。
彼らは、初日に辿り着いた砂隠れの三人とは違い、ドロドロのぐちゃぐちゃの傷だらけだ。
サクラに至っては、綺麗に伸ばしていた髪の毛が、肩につかないほどまで短くなっていた。
それでも力を合わせてちゃんとここまで辿り着いたのだ。
イルカ先生も、きっと彼らの姿に、成長に驚くことだろう。
さきはひとまず、心の底から安堵した。
長いため息をひとつ吐いて画面の中の彼らを見つめ、よく無事に帰ってきてくれたと心の中で抱きしめた。
「……あのねさき…うちはサスケなんだけどさ…」
『知ってるよ…大蛇丸の呪印のことでしょ…?』
「え?なんで……彼は……っく…!」
『アンコ…!また痛む?大丈夫?』
すかさずさきはアンコに駆け寄った。
アンコは、何かを話しかけたが、また突然肩の呪印を抑えて苦しみ始めた。
だいぶ良くはなったけど、相当痛むのだろう。
呪印の恐ろしさをさきはアンコを通して酷く痛感していた。