第64章 通過者と棄権者と
さきは落ち着かない様子で、しかし言葉を選びながら、三代目に聞いたという大蛇丸の狙いをカカシら三人に話した。
『大丈夫かな…?アンコでさえもあんなに…!
それにまだ、あの子達帰ってきてないの!!私、心配で怖くて…!信じてるけど…でもっ!』
「落ち着いて、さき。試験はあと一日で終わるわ。
大蛇丸が侵入している事が判明してから、暗部は厳戒態勢で里内を警備してる。暗部と三代目の連携には隙がないって言われてるのよ。」
カカシの両肩に手を置いて、切羽詰まった表情で怯えるさきの背を、紅は優しく擦ってやった。
「何かあれば暗部からすぐに報告され、三代目の耳に入る。
今それが無いということは、恐らく全員無事と考えていい。だから、今は大丈夫だ。」
『………うん……ごめん、感情的になって…』
「二人の言う通りだ。難しいことだが、こういう時こそ落ち着いた方がいいぞ。」
アスマはグラスに冷たい水を注いで、ベンチの近くのサイドテーブルの上に置いた。
カカシはさきをひとまず座らせ、その隣に腰を下ろした。