第64章 通過者と棄権者と
『カカシ!!!!』
「?! えっ…さき?!」
理解するのに少し時間がかかったが、椅子に座っていたカカシの首に勢いよく巻き付くようにして、さきが飛び込んできたのだった。
「ちょっとどうし…」
『大蛇丸が!!!!』
さきはカカシの首元に埋めていた顔をバッと勢いよく上げ、今にも泣きそうな表情を向ける。
彼女は文字通り、顔面蒼白だった。
柄にもなく少しパニックを起こしているようで、カタカタと唇が震えている。
「さきちょっとどうしたの…!アンタ、めちゃくちゃ顔色悪いわよ?!」
「どうしたさき、何かあったのか?!お前中忍試験の仕事は…」
見るからに普通でない様子のさき。
すぐ近くにいたアスマと紅も声を上げた。
『大蛇丸が!っ…大蛇丸が、サスケくんを狙って…!呪印が施されてしまったかもしれないって…!
みんな無事かなぁ?!どうしよう…ねぇ、どうしたらいい?!』
「…なに!?」
カカシの眉間に深い縦皺が寄せられた。