第61章 異変
暗部の男はため息交じりに、ある名を口にした。
「大蛇丸か…」
(大蛇丸…?)
どこかで聞いたことのあるような名に、さきは眉根を寄せることで反応した。
『…それって、ビンゴブックのS級犯罪者の…木の葉の忍だったあの人のことですか?』
(確か自来也様と同じ、三忍の一人の…)
そのさきの質問に、アンコが静かに答えた。
「……そうよ」
『……え…???』
さきは頭の中が混乱しそうだった。
そんなS級犯罪者の大蛇丸が、今この状況で一体何の関係があるというのか?
それに、アンコの首に浮かぶ呪印というものもさきにとっては理解しがたいものだ。
アンコは、森の猛獣や虫や植物によって肩を負傷したというわけではなく、何か術にかけられて苦しんでいるということなのか?
…話の流れが全く読めない。
(そもそも、あの草隠れの忍三人の話だったはずでしょ?一体彼らはどうなったのよ…)
さきの眉間に寄せられた皺が一層深くなった。