第61章 異変
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その頃、つい数十分ほど前まで受験者達に第二の試験のルールの説明を行っていたあの場所では…―――
「うむ!団子にはやっぱ……おしるこよね…」
アンコがおやつの団子とおしるこを満足気に口いっぱいに頬張っていた。
すでに何本平らげたのか…綺麗な木の葉マークを描いてしまうほどの夥しい量の串が木の幹に刺されている。
『アンコ!!』
さきが走る事数分。
ちょうど、アンコが平らげたお団子の串を近くの木に投げ刺して遊んでいた所に辿り着いた。
「さき…どうしたのよ?急に」
『試験会場外で…死体が出たの。三人…殺されてる。定かではないけど多分、中忍試験の受験者だと思う』
「死体…!?」
それを聞いたアンコは、次の団子に伸ばそうとしていた手を流石に引っ込めた。
『そ。しかも妙なの……とにかく、一緒に来てくれる?ここからそう遠くないわ。現場にはイズモとコテツが待機してる。』
さきは手短に要件を告げた。
「…わかったわ」
ゴクンと口内を空っぽにさせたアンコは真剣な面持ちでさきに案内を求めた。