第4章 Inviting Night
寝支度が互いにできた頃、カカシは1枚の紙をさきに渡した。
『これは?』
「今日の調査結果。思い当たることとか、ない?」
歴史書から最近の文献まで洗いざらい確認し、特に有力そうなものを書き留めたものだ。
直接的に関係するようなものはなかったが、過去に思わぬ現象が起きた際の里の対処やその経緯などもメモ書きしておいた。
ジッと真剣な目でメモを読む彼女。
『いや…これと言って思い当たるものはないかな…』
残念、ハズレか。
「そう。なら、また明日から違う文献を漁らないとね~」
はぁと溜息をつく。
さきはそれを見て、『ゴメンね』と謝ってきた。
「謝らなくていーよ。さきは何か手がかりはあったか?」
『いや、全然。』
「なかなか難題だな…」
『でも、明日は御神木のとこへ行ってみようと思う』
御神木とは、第三演習場にある大樹のことだったかな。と、カカシは思考を巡らせた。
「行ってどうするの?」
『私ね、そこにカバンを置いてきたかもしれんくて。 確か、あの日肩から提げてたはずなんよね。 さっきお風呂で考え事してて、そういえばって思い出してね』
「なるほどね、ついでになにか手がかりはないか、一緒に調べてみようか」