第60章 試験官のお仕事
受験者たちは其々のチームで集まり、同意書にサインをはじめた。
黒幕の張られた巻物の交換所で、順番にその三枚の同意書と巻物を交換する。
全チームに巻物が行き渡ったところで、さきは出発ゲートを発表した。
『では、出発ゲートを発表します。
犬塚キバ、日向ヒナタ、油女シノチーム。ゲート16。
奈良シカマル、秋道チョウジ、山中いのチーム。ゲート27。…―――』
順に名前とゲートをあげていく。
ナルトたち3人はゲート12からの出発だ。
全員のゲートの発表が終わるなり、其々、担当者の先導によって各ゲートへと移動した。
さきが先導したのは…―――
『―――――― 久しぶり…やね』
「ええ。お久しぶりです。
まさかつい先日まで同じ下忍だったあなたが、特別上忍になっているなんて……ボクなんか足元にも及ばなかったということですね」
丸い眼鏡の奥で目尻を緩める男。
前回の試験で同じチームになった、薬師カブトの班だった。
さきはカブトの言葉に小首を傾げた。
『あなたは…第三の試験を蹴ったでしょ?私はあなたの実力を殆ど知らないけど…』
「まぁ…負け試合になることは見えていたので。ボクは人に見せられるほど実力なんてものもありませんから」
そう言って、カブトはまたあの張り付いたような笑みを浮かべた。