第60章 試験官のお仕事
『ごめんごめんっ!私、この第二の試験の担当なんよ。
皆に会えなかったのは情報漏洩防止のためってとこかな。ほんとに…ごめんね!
でも、みんながここに来るって信じてた。待ってたよ。』
「あー…そっか。この子らがカカシんとこのだったわね」
『そそ!』
「へえ……今年は血の気の多い奴が集まったみたいね…フフ…楽しみだわ。」
アンコは三人をまるで品定めをするようにマジマジと見て、ニヤッと笑った。
「それじゃ第二の試験を始める前に、アンタらにこれを配っておくね!」
さきはアンコの説明に合わせ、脇に抱えていた同意書の束を差し出した。
「同意書よ。これにサインをしてもらうわ。
こっから先は死人も出るから、それについて同意を取っとかないとね!私の責任になっちゃうからさ~♡」
アンコはアハハと愉快に笑いながら、さきの手から同意書を受け取り、受験者に見えるよう顔の横に翳した。
シーンと静まる受験者たち。
…また、アンコの空気読み違い
…というより、表情の間違いか。
『…アンコ…ちょっと違うかも……』
「えぇ?」
『ほら、みんな引いちゃってるからっ!そういことは笑って言っちゃダメだよっ…』
さきはそっとアンコに耳打ちした。