第60章 試験官のお仕事
さきは苦笑いしながら、その教室内を更に確認した。
一応、こういう状況把握も試験官のお仕事のうちだからだ。
(うん、結構人が残ってるな……あっ、いたいた!第七班のみんな。流石やね… って、アスマ班も紅班も、ガイのとこもみんないる…?!)
『わぁ…優秀』
思わず心の声が漏れた。
この試験で残ったのは78人…計26チームだ。
さきが受験した前回の試験では、一次の通過は僅かに42名。
それと比べても、今回は遥かに多いことが分かる。
これにはアンコが残しすぎだと渋面を浮かべた。
「まあいいわ…次の第二の試験で半分以下にしてやるわよ!!」
『はは…アンコ、だんだん興奮してきてる…』
アンコは遊び好きで、大胆不敵。
オマケに血の気が多い肉食系女子。
次のサバイバルで恐怖する受験者を想像してゾクゾクしているのがその雰囲気でビンビンと伝わる。
ここから先はアンコが先導し、死の森へと移動する。
恐怖と試練の第二の試験が、遂に始まろうとしていた。