第4章 Inviting Night
さきはその日、外出することは無かった。
カカシの用意してくれた相変わらず美味しすぎる食事をとり、部屋やトイレ、風呂場を掃除し、洗い物など一通りの家事を済ませ、パックンとの会話を少しばかり楽しんだ。
そういえば、パックンさんは辞めろと言われたのでパックンと呼ぶことにした。
残りの時間は昨日借りた書物を隅々まで読んで過ごした。
―――――― 夕方六時頃。
『そろそろ日も沈むし、カカシにご飯でも作ろうかな? パックン、カカシは何時頃戻ってくる?』
「恐らくあと一、二時間ほどで戻るだろう。なるべく早く帰ると言っていた。」
よし、それならば、と冷蔵庫に入っていた食材を確認し夕食の支度を始めた。
「いい香りだな。」
食事が出来るにつれてさきの足元でクンクンと鼻を動かし、ご機嫌に話しかけてくるパックン。
さきも犬が喋るということにも慣れてきた。
『そうやろっ?カカシも頑張ってくれてるからね~』
間もなくして、玄関のドアが開いた。