第59章 見送り
「中忍試験…これで正式に申し込みができるな…」
「…どういうこと…?」
眉根を寄せるサクラに、カカシは目元を緩めて説明した。
「実のところこの試験、初めからスリーマンセルでしか受験できないことになってる…もしそのことを言ったならサスケやナルトが無理にでもお前を誘うだろう… たとえ志願する意志がなくてもサスケに言われれば…お前はいい加減な気持ちで試験を受けようとする…
サスケと……ま!ナルトの為にってな」
でも、サクラはサクラの意思でここへ来た。
それは彼女の顔を見れば一目瞭然だった。
(どうにか一人の忍者としての自覚と自信を取り戻したようだな…)
「お前らは自分の意思でここに来た。オレの自慢のチームだ。
事情があって、生憎ここには来れなかったが、さきもお前らの事を心から信じ、応援していたよ。
さあ、行ってこい!」
そう告げたカカシの声が後押しとなり、三人の会場へと向かうその足はとても力強かった。
(オレのやるべき事ことは、お前達を信じて、導いてやることだ。 後はお前達で考えて、そしてやってみろ。)
この大きな扉の向こうには様々な試練が待っている。
しかしそれに期待を膨らませる三人の目は各々力強く輝いていた。
ナルト、サスケ、サクラはこうして第一の試験に臨んだ。