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【NARUTO】繋ぐ場所【カカシ】

第58章 好き


 ―――――― ……!



『なにか来る…みんな止まって!』

「「え?!」」



 突然、さきは何か嫌な気配を感じ、走る足を止めた。

 気を四方へ張り巡らせる。

 三人は素早く背を合わせて陣を構えた。



『! 上っ!!』

 さきは即座に医療忍者の方へ飛び、守りながら上からの攻撃を避けた。

 それとほぼ同じタイミングで、ドカッッ!!!と強く地面を叩きつける音が響く。
 間一髪だ。



 さきはすぐさま体制を整え、すかさず数枚の手裏剣を投げた。
 …が、それらはキンキンキンという金属音とともに全て弾き落とされた。



『少し離れていて下さい!』

 さきは医療忍者に気を配りながら、素早く術の印を組む。

『火遁 豪火球の術!!』

 ゴォッ!という音ともに勢い良く広がる大きな炎。

 しかし、手応えがない。
 恐らく躱されている。
 さきはよく目を凝らした。


 炎の中から飛んできたクナイを少し顔をズラして避ける。

 自身の耳のすぐ横で風を切る音が聞こえた瞬間、さきは手に込めたチャクラでそれを吸着させた。

 パシ!と確実に掴み取り、同時にチャクラを溜めた足で地を蹴って、前へと勢いよく駆け出した。



 見えたその敵の額には、雨の額当てが。
 そのマークの上にはしっかりと一文字の傷が刻まれていた。

(雨隠れの…抜け忍…!)



 さきは走りながら敵の観察を続け、更に印を組み始めた。

 敵の背後からは、自分の仲間の援護の術が襲いかかる。



(ナイス援護!――――――よし、挟み撃ち。これでもらった!)



『火遁 鳳仙花!!』

 赤い炎の玉がホウセンカの実のごとく弾け飛ぶ。
 間違いなくその攻撃は敵を捕らえた…

 ――――――はずだった。



「風遁!大突破!!」

  ゴゥッッ!!!


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